『ばけばけ』第93回より 写真提供:NHK
今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラ(連続テレビ小説)に関する著書を2冊上梓し、毎日レビューを続けて10年超えの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は、第93回(2026年2月11日放送)の「ばけばけ」レビューです。(ライター 木俣 冬)
家族と友達、どっちが大切?
今週はずっと画面が薄暗い。
川の向こうで貧しい暮らしをしていたときのようなセピア調。
せっかく城側に来て、透明感のあるきれいな画面になっていたのに。トキ(高石あかり、「高」の表記は、正確には「はしごだか」)たちの気分の表れのようにくすんでいる。
錦織(吉沢亮)がヘブン(トミー・バストウ)の家の玄関にいる。手前にうっすら何かの影のようなものがかぶっていて、不思議な画になっている。
さみしげに帰っていく錦織。
トキは鏡に映るヘブンに話しかける。
トキとヘブンは別々の部屋にいる。
「やはりやめる しませんか、松江 残る しませんか」
「熊本に 錦織さん いません」
トキはヘブンのいる部屋に入って「一番大切な方ですよね ヘブンさんにとって」と説得しようとする。
同じ部屋に入るのはちゃんと話し合おうとしている印だろう。違う部屋に逃げるのは話をしたくない気持ちのときだと思う。
「錦織さん友達、一番友達」とヘブンは言うが、「But 家族 ない」
なかなかドライな考え方である。ヘブンにとって家族が最上級で、友達はそのあとになるようだ。
ヘブンは布団に入って寝てしまう。布団に丸まった姿が、トキの意見を拒絶しているように見える。
主題歌が切なく聞こえる第93回。「君の隣歩くから」 錦織の隣を歩いてあげてほしい。
とはいえ、彼には妻もたぶん子もいると思うのだが。
翌朝、錦織が迎えに来ない。
また怒っているのではないかと思うと、やたら元気な声でやって来た。
生徒たちを手伝わせ、大量の荷物をもってきた。
くまの毛皮をかつぐ錦織。あったかグッズを集めてきたのだ。これでどんなに寒くても大丈夫。
しかし、なんというか、錦織は有無を言わせぬ行動に出ていて、それは痛ましく見える。







