意志の力とは関係ない!
「食べ過ぎ」の根本的な原因
ここから先は、なかなか気が付きにくい「食べ方」別の食べ過ぎパターンについてお話しします。
(1)「主食」「主菜」「副菜」のどれかが極端に足りない
忙しいと、何か1品で終えてしまいがちですが、「主食」「主菜」「副菜」のどれかが極端に足りない場合は食べ過ぎてしまいがちです。
・主食…ごはん、パン、麺など
・主菜…魚、肉、卵、大豆・大豆製品を主材料とする料理
・副菜…野菜、芋、きのこ、海藻などを主材料とする料理
丼ものや麺類だと「副菜」が欠けやすいですよね。そうすると、よく「噛む」ものが減ります。食事が早く終わる分、満腹感を覚えにくいですし、食物繊維が不足することで血糖値が上がりやすく太りやすい食べ方にもなってしまいます。カット済みのものでもよいので、手軽なところでは千切りキャベツをサラダ代わりに添えるようなところから始めるのもよいでしょう。
また、主食が少ないことで間食が増えている人、主菜が少ないことで食欲がコントロールできなくなっている人もいます。体への栄養が不足すれば、当然、心への栄養も不足します。ストレスから過食しがちになることもありますから、食事制限はほどほどに、体と心への栄養補給をしっかりしましょう。
(2)五味のバリエーションが少ない
栄養バランスは良さそうでも、味に偏りがある場合もまた、食べすぎてしまう傾向があります。「チョコを食べていたらおせんべいが食べたくなった」という経験がありませんか?いろんな味を楽しめて満足感を得ることもあるもの。
たとえば、肉野菜炒めとお味噌汁。栄養バランス的には良いですけれど、どちらも塩系の味ですよね。味覚には、酸味,苦味,甘味,辛味,鹹味 (塩味) の5つの味がありますが、普段、酸味のものはあまりとらない、という人は少なくないのではないでしょうか。
料理するのが大変な場合は、「もずく酢」のように市販のものを献立に足してもよいですし、「酢の物の素」のような商品を使って、箸休めを常備しておくのもおすすめです。手軽な方法では、いわゆる「味変(あじへん)」で、食事の途中でレモンを足して味わいをかえる、というのもありです。
食べ過ぎに抗うのは大変そうですが、そのパターンが見えてくると対策がうてるもの。我慢しようと頑張るのではなく、「どんなときに」もしくは「どんな食べ方をしているときに」食べすぎているのか――そのパターンの究明に意識を向けてみてくださいね。
(栄養士・食事カウンセラー 笠井奈津子)