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――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 金利が上昇する中、ドルの反発力が弱いのは不可解だ。その一因はインフレ懸念の高まりにありそうだ。

 米国では、新型コロナウイルスワクチンの接種が進んでいるほか、大型の景気刺激策が成立したことで、景気が大きく回復するとの期待感から国債利回りが急上昇している。かたや欧州は、ワクチン接種の遅れとコロナ流行第3波のリスクに直面し、成長期待がしぼんでいる。

 通常であれば、そうした要因が重なればドルに明らかな追い風が吹く。米インターコンチネンタル取引所(ICE)ドル指数は対象通貨が少なく、ユーロのウエートが57.6%と高いため、とりわけその傾向が強くなるはずで、実際に年初来で2.1%上昇している。それでも前年同期に比べると6.4%低い。対象通貨が多いウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)ドル指数は、前年同期比10.8%下落している。

 これは意外な動きだ。米10年債利回りがここ1年で1.25%から1.71%に上昇していることを考えれば、いっそう驚きに価する。ドイツ10年債との利回り差が同期間に0.48%ポイント拡大したことも、ドルやICEドル指数の押し上げ要因になるはずだ。