この一年、私たち一人一人が生き方や働き方、他者との関わり方を見つめ直し、変えることを余儀なくされてきた。それ故、新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われたこの一年が、公平さと社会的な不公正を巡る対話が新たな緊急性をもって全国的な議論の中心となるべくしてなった一年でもあったことは、単なる偶然とは思えない。単純に考えれば、病気は皆平等に降りかかるはずだ。だが、実際にはそうではないことは紛れもない事実である。構造的な差別や機会を阻もうとする障害が危機下でいかに作用するのかを私たちは皆、目の当たりにしてきた。私たちのコミュニティーでは、あらゆる負荷――感染率や治療の結果、経済的困難、学校閉鎖に伴うオンライン学習という壁――が最も重くのしかかるのは、真の公平さから常に最も遠くにいる人たちだ。公民権運動が起きた時代に成長した者としては、まだ多くの仕事がやり残されているのを目にするのはいら立たしい半面、善良な人々が現状に甘んじず、より良いものを求めて行進していることに勇気づけられてもいる。