文大統領の支持基盤が揺らいできた最大の要因は、公正さに対する不信感の高まりである。

 文大統領は2017年の大統領就任の辞で「過程が公正な国を作る」と約束したが、最近の調査では「文政権は過去の政権より過程が公正だと考えるか」との質問に対する回答者の49%は「不公正だ」と答え、11%は「過去の政権と同じ水準」と答えている。

 特に最近のLH(韓国土地住宅公社)職員の土地投機問題に対する政権の関与疑惑の影響は大きい。LH問題の捜査を首相府と国土交通部が調査することとして、検察を捜査から排除する隠ぺい体質も国民意識を大きく変える契機となっている。

 さらに、文大統領の側近であった曺国氏のさまざまな不正疑惑による「曺国事態」や尹美香(ユン・ミヒャン)議員(前正義連理事長)の慰安婦寄付金横領などの一連の腐敗事件、不動産政策の度重なる失敗、青瓦台報道官等の政権幹部による土地投機疑惑、法務部と尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検事総長との対立、強引な国会運営などが重なり文政権に対する不信感を高めている。

 それと同時に韓国の一般市民は生活の現状に大きな不満を抱くようになっている。その最も大きな問題は住宅の確保が一層困難になっていることである。

 現在はソウルでマンションを購入することはもちろん、住宅を借りることも難しい。

 KB国民銀行の調査によると、ソウルのマンションの平均価格は10億6000万ウォン(約1億153万円)に達しており、文政権が発足して約4年で実に75%も上昇している。

 こうした中で人々の不公平感と不満は過去と比較できないほど深刻になっている。文政権はこれまで過去の積弊(長年積もり重なった悪しき慣行や弊害)を理由にしてきたが、今や国民の多くが、文政権の政策の失敗によるところが大きいとの認識に変わりつつある。