私は1年以上、米国から出ていない。そんなに長い間出ていないのは23歳以来だ。2020年3月4日、私はオックスフォード大学とロンドン市内で講義を行うため、英国に10日間滞在する予定だったが、行かなかった。そのことに不満は全く感じていない。かつてのように旅をしたいとはもう思わないようになった。自宅での仕事はうまくいっている。昨年9月1日にフーバー研究所の所長に就任したが、オフィスには一度しか行っていない。それでも会議や研究活動はリモートで続けており、移動がもはや障害ではないため参加率は上がっている。オンラインセミナーは(フーバー研究所のあるカリフォルニア州)パロアルトに来る機会はなかっただろう人たちにも届いている。私たちは生産的で効率的だ。だがスタンフォードはゴーストタウンと化している。学生のいない大学は異様に感じる。