【カイロ】スエズ運河で起きた巨大コンテナ船の座礁は、在任7年になるエジプトのアブデルファタハ・シシ大統領にとって、就任以来最大とも言える世界的な危機に発展した。なぜ海運の要所が寸断されるに至ったか。ここにきて、シシ氏が過去に指揮した巨額の運河拡張工事に対して厳しい視線が注がれている。  シシ政権は、2015年に開通した新運河の拡張工事を経済政策の中核に据え、「エジプトの再生」を掲げていた。