スイス金融大手クレディ・スイスのトマス・ゴットシュタイン最高経営責任者(CEO)は昨年のトップ就任以降、最優先課題の1つとしてリスクテークの抑制に取り組んできた。だが、米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントと英金融ベンチャーのグリーンシル・キャピタルという、2つの巨大危機に直撃されるのを未然に防ぐことはできなかった。株主はアルケゴスの投げ売りで数十億ドルの損失が発生する可能性に身構えている。30日には、イメージ悪化を理由に、クレディ・スイスの投資判断引き下げが相次いだ。損失拡大への懸念から、クレディ・スイス株は下げが続いており、年初来では10%下落した。15%の値上がりとなっている国内競合のUBSグループと明暗が分かれている。