日本の匿名掲示板として圧倒的な存在感を誇った「2ちゃんねる」や動画サイト「ニコニコ動画」などを手掛けてきて、いまも英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人などを続ける、ひろゆき氏。
10万部を突破したベストセラー『1%の努力』では、その部分を掘り下げ、いかに彼が今の立ち位置を築き上げてきたのかを明らかに語った。
「努力はしてこなかったが、僕は食いっぱぐれているわけではない。
つまり、『1%の努力』はしてきたわけだ」
「世の中、努力信仰で蔓延している。それを企業のトップが平気で口にする。
ムダな努力は、不幸な人を増やしかねないので、あまりよくない。
そんな思いから、この企画がはじまった」(本書内容より)
そう語るひろゆき氏。インターネットの恩恵を受け、ネットの世界にどっぷりと浸かってきた「ネット的な生き方」に迫る――(こちらは2020年3月28日付け記事を再構成したものです)
頑張る方向を見定めよう
仕事のタイプは、自己分析をしてから決めたほうがいい。
自分に向いていない仕事で消耗するのは、どうしてもムダだと思うからだ。
じゃあ、どうやって自己分析をすればいいのか。
それは、小学校時代の「夏休みの宿題」への取り組み方がヒントになる。
誰しもが、小学校時代、夏休みの宿題と向き合わざるを得なかったことだろう。それによって、仕事のタイプは見分けられる。
1 早めに終わらせる。あるいは毎日コツコツやる
2 自由工作や絵などに時間をかけて取り組む
3 最終日が迫ってきて慌ててなんとか間に合わせる
この3つのタイプがあり、それぞれに合った部分を集中的に鍛えれば、頭1つ抜きん出た存在になれる。
「1 早めに終わらせる」というタイプ
まず、「1」は、一見すると凡人なように見えるが、計画性があるのも素晴らしい才能の1つだ。
勉強が向いているので、知識を貯めていく方向で頑張るといい。
知識だけになると頭でっかちのように聞こえるが、経験と結びつけば、あなた特有のオリジナルな考えになる。その方向を攻めてほしい。
「2 時間をかける」というタイプ
「2」は、時間をかけても仕方ないようなことに、時間をかけてしまうタイプだ。
教師を納得させることより、自分が納得することのほうに重きを置く。もしかすると、人嫌いかもしれないが、1人で黙々とできるのが才能だ。
社会ですぐに認められないようなことに、ぜひ取り組んでほしい。本業でも、副業でも、趣味でも構わない。
「3 なんとか間に合わせる」というタイプ
最後に、「3」だ。僕もこのタイプの人間である。
突発的なことに対処する能力があり、「やばい、やばい」と言いつつも、心のどこかで祭りのように楽しんでしまえる才能がある。
リスクマネジメントや、対人による交渉ごとに向いている。そのスキルを磨こう。
さて、あなたは、どのタイプに当てはまっただろうか。仕事選びに迷ったら、
「夏休みの宿題をどうやって片付けただろう?」
と、思い出してみよう。
もし、「1」タイプなのに、「3」のようなクレーム処理のような仕事を任されると、いずれ心を病んでしまうかもしれない。
自分のタイプを大人になってから変えようとすると、相当なエネルギーを必要とする。それは、性格を変えるようなものだからだ。
向いてないものは完全に割り切って、「これはやらない」と決めてしまうのも戦略として正しい。
それもこれも、「ポジション」であり、自分がどこにいるかがわかっていることのほうが重要だからだ。
努力しない方向で仕事選びをしていこう。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、10万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。