中国の対米競争心、欧州の斜陽都市にも波及
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【デュイスブルク(ドイツ)】世界的な影響力拡大を巡る米中の競争は、欧州のさびれた工業地帯にも及んでいる。中国は鉄道をはじめとする地域経済を着々と引き込んでいる。

 中国は昨年、米国を抜いて欧州連合(EU)最大の財貿易相手国となった。この歴史的転換点は、新型コロナウイルスの感染拡大中に中国製の医療・電子機器を切望した欧州自身が招いた面もある。

 そうした製品は次第に、中国の支援を受けて建設された鉄道、空港拠点、港湾からなる新しい貿易回廊を通ってヨーロッパに到着するようになっている。中国による支援の多くは、世界との結びつきを強めるため世界的なインフラ構築を目指す大規模な「一帯一路」構想の一環だ。

 中国と欧州の貿易の歯車に潤滑油が注がれた結果、ドイツのデュイスブルクやベルギーのリエージュなど、長年顧みられることなくさびついていた都市が活性化している。

 欧米の政府関係者は、中国が一帯一路を利用して貧困国を債務のわなに陥れていると非難してきたが、中国政府はそうした非難を退けている。

 新型コロナの感染拡大で一帯一路の見通しに影がさしたとはいえ、中国は国内景気が回復しており、構想を放棄することはなさそうだ。