5月17日の取引で金価格が上昇し、約3ヵ月ぶり高値を付けた。米国債利回りの低下、インフレへの警戒感、アジアでの新型コロナウイルス再拡大の懸念などを背景に、ゴールドが買われている。「ゴールドが近い将来最も有力な投資先の1つになる」と提唱するのは、YouTube再生回数1億回を超える人気投資家の高橋ダン氏だ。著書『ゴールド投資──リスクを冒さずお金持ちになれる方法』では、ゴールドに投資する根拠から投資の実践方法まで余すことなく語った。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する。
ゴールドに関する投資商品
「金」や「金を含む貴金属投資」にはいくつかの商品があります。本章では、各商品の特徴を見てみましょう。
紹介するのは、以下の7つです。仮想通貨もコモディティ投資の中の有力な投資先の一つですので合わせて紹介します。
(1)金現物(2)金のETF(3)金先物(4)金鉱株(5)金鉱株のETF(6)銀・プラチナ・パラジウムのETF(7)ビットコイン
投資商品には相性があるため、気になったものを調べてみてください。
また、この後の章で詳しくお話ししますが、どれか一つだけに絞って投資するのではなく、多様な商品に資産を分散させることが大切です。
金ETFに投資する
金の現物を持つことにこだわらないのであれば、まずは金価格と連動するETFを検討してみましょう。
ETFとはExchange Traded Fundの頭文字で、株のように市場で売買されている上場投資信託のことを指しています。
金のETFの場合は、投資家から集めたお金を使い、金や金先物などに投資する仕組みです。
低コストで金に投資できる
ETFを売買するためには、上場株の売買と同様に証券会社に口座を作る必要があります。
口座があり、株式市場が開いているときであれば、いつでも買うことができます。
積立で買っていくこともでき、現金化したいときにはいつでも市場で売却できます。
また、現物投資と比べてコストも安く収まります。
ETFの売買にかかるコストは、売買手数料と信託報酬です。
売買手数料は売買する証券会社に払うもので、証券会社によって差はありますが、ネット証券の場合で、だいたい買付価格の0.5%くらいです。
信託報酬はETFを運用する会社に払うコストで、商品によって異なります。一般的には年0.2~0.4%前後が目安です。
売却時に利益が出た場合はほかの株と同じように税金がかかります。
ただし、NISA口座で買う場合は利益にかかる税金は非課税になります。
米ドル建てETF
メジャーな金のETFとしては、米ドル建てのETFでSPDRゴールド・シェアーズ(ティッカー:GLD)と、iシェアーズ・ゴールド・トラスト(ティッカー:IAU)があります。
金に投資するETFや投資先に金を含むETFはいくつもありますが、次にあげた2つは他のETFよりも資産額(1口あたり純資産額)と、出来高(取引数量のこと)が大きいのが特徴です。
資産総額や出来高が重要なのは、投資している人が多いほど売買の安定につながるためです。
また、たくさんの資金が集まっているため、その資金を活用してより広い範囲に投資することができます。
つまり、複数の投資先や投資方法を取り入れやすくなり、分散投資によってリスクを抑えられるということです。
円建てETF
金価格と連動する円建てのETFでは、東京証券取引所で売買できるSPDRゴールド・シェア(証券コード:1326)や、純金上場信託(現物国内保管型)(証券コード:1540)などがあります。
これらも国内で売買できる金のETFの中では規模が大きく、1口(株)数万円から買うことができます。
(本原稿は『ゴールド投資──リスクを冒さずお金持ちになれる方法』からの抜粋・編集したものです)