投資対象としてゴールド(金)を保有している人はあまり多くないだろう。しかし、「ゴールドが近い将来最も有力な投資先になる」と提唱するのは、YouTube再生回数6000万回を超える人気投資家の高橋ダン氏だ。2月刊行予定の著書『ゴールド投資──リスクを冒さずお金持ちになれる方法』では、ゴールドに投資する根拠から投資の実践方法まで余すことなく語った。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する。
金価格と米ドルは逆に動く
金を買ったほうがよい4つ目の理由は、値上がりする可能性が大きいことです。ゴールド投資に興味を持っている人の多くは、この部分にもっとも強く関心を持っているだろうと思います。
供給量が制限されていることにより、金が値下がりしにくい商品であることは説明した通りです。
では、値上がりについてはどうでしょうか。
まずは金価格が動く背景を押さえておきましょう。金は、実はあるものと連動して動いています。
それは、世界の基軸通貨である米ドルです。
ドルと金価格は、ドルが上がれば金が下がり、ドルが下がれば金が上がる関係で、これを「逆相関」の関係といいます。
ドルと金価格が逆相関になる理由は、金は貴金属であると同時に、お金の一種としても認識されているからです。
ドルは世界の基軸通貨ですので、ドルを持つ人はたくさんいます。
ドルはアメリカのお金ですから、ドルを持つと、おのずとアメリカ経済が不安定になったときにドルが下落するリスクを抱えることになります。
また、金融市場で「アメリカ中央銀行が利下げする」との見方が広まって、ドルが下落することもあります。
このリスク対策となるのが、金です。
金は世界共通の資産であり、特定の国の経済状況に依存していません。わかりやすくいえば、無国籍のお金です。
そのため、ドルやドル建ての資産を多く持っている人は、ドル安のリスク対策として金を買いますし、アメリカ経済が不安定になったときなどには、ドルを売って金が買われます。このような仕組みがあるため、一般的にドルと金が逆の動きをするのです。
その一例といえるのが、2001年に起きた同時多発テロです。
テロは米国経済の不安を生み、米ドルの信頼が低下し、ドルも、ドル建て資産も一気に売られました。その一方、金は「有事の金」で買われ、当時300ドル前後で推移していた状態から上昇トレンドに入っていきました。