米南部で松を育てる営林業者が、木から収入を得る新しいやり方がある。それは植えたままにしておくことだ。温室効果ガスの排出を相殺することに熱心な企業は、南部の森林所有者に来年まで伐採を延期するよう求め、その行為に金を払っている。それによって、製材所に行くはずだった100万エーカー(約4000平方キロ)以上の土地に植えられた松の木が、来年まで伐採を免れる。樹木が建物や電柱にならずに育っている期間が長くなればなるほど、その分だけ樹木が大気中から吸収する二酸化炭素(CO2)の量が増えるという考え方だ。こうした取り組みに参加する企業は、森林が吸収したCO2を、カーボンオフセットと呼ばれる取引可能な資産としてトン単位で記載することができる。このオフセットを買い取る企業は、CO2の台帳に記載された排出量から購入分を差し引くことができる。この台帳は、各企業の環境汚染削減努力を投資家や消費者に示すためのものだ。森林所有者は、樹木が残っている限り、オフセット代金を受け取ることができる。