今、東京都の人口の約1.5倍に当たる1900万人が、顎(あご)にさまざまな不調が起こる顎(がく)関節症に罹患していると推測されています(顎関節症の治療方針2020:一般社団法人日本顎関節学会)。顎関節症は20歳から急増し、その多くはビジネスパーソン世代です。さらに自粛生活でストレスがたまり、顎関節症になる人が世界的に急増しています。その原因や症状、対処法などを4つのパターンに分けて解説します。(歯科医師、幸町歯科口腔外科医院院長 宮本日出)
ストレスが
あごに与える影響
顎関節症はいくつもの原因が重なり、それが顎の許容量を超えたときに発症します。
顎に直接負担を与えるものとしては「硬いもの(スルメ・フランスパンなど)を食べる」「長時間の咀嚼(ガムなど)」「食いしばり(スポーツなど)」があげられます。
噛んでいないとき、下顎は頭の骨にぶら下がった状態で振り子のようにバランスをとっています。デスクワークやスマホを見るときになりがちな猫背は、顎の位置をずらしやすく、間接的に負担を与えます。枕が顎にあたるうつぶせ寝や横寝、腕が顎にあたる頬杖も負担になります。
そして現在、自粛生活によるストレスが原因の顎関節症が世界で多く報告されています。