ワクチン接種に一時帰国、在外米国人の心の葛藤
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【ロンドン】海外在住の米国人の間で、新型コロナウイルスワクチンを接種するため帰国する動きが広がっている。遅々として進まず、先の見えない現地の接種状況にしびれを切らせているためだ。

 900万人に上る在外米国人の多くにとって、ワクチン接種によって得られる予防効果と安心感を考えれば、長旅のリスクを冒す価値は十分にある。だが帰国には、接種はまだ数カ月先になるであろう友人や同僚、配偶者さえも置き去りにしてしまうとの苦悩や道徳的な葛藤を伴う。彼らには、世界で最も豊かな国である米国の旅券(パスポート)がないためだ。

「周囲でワクチンツーリズムの話題をよく耳にする」。こう話すのはロンドン在住の米国人、クロエ・ゼイトウニアンさん(32)だ。今月、米国に一時帰国したという。「自分もまさにこれを実践した」