手放し運転もできるBMW M5、「羊の皮を被った狼」は健在

サーキットも走れるスポーツカーも
最新運転支援装備は必要不可欠

 車名にある「M」は、モータースポーツを意味するもので、そのルーツは1972年に設立されたレース部門である「BMW モータースポーツ」社にある。現在は「BMW M」社と社名を変更して、モータースポーツ用車両と高性能量産車の開発を並行して行っている。

 現在、BMW M社が開発する高性能量販車であるMモデルには2つのカテゴリーがある。1つはサーキット走行を前提とした「Mハイ・パフォーマンス・モデル」、もう1つはサーキットで培われた技術を取り入れた公道最速仕様の「Mパフォーマンス・モデル」だ。

 そして現行の「Mハイ・パフォーマンス・モデル」は、M2、M3、M4、M5、M8、X3M、X4M、X5M、X6Mと実にバリエーション豊富だ。SUVにすらサーキットを走行できる性能を付与しようというのは実にMモデルらしい企てといえる。

 というのも、1984年に登場した初のMモデルは、見た目は四角い普通の4ドアセダンにレースカーの性能を組み込んだM5だった。そのルックスと性能のギャップからついた異名は“羊の皮を被った狼”である。