X7はBMW・Xシリーズの頂点に立つ3列シートモデル。パワーユニットは3Lディーゼルと4.4L・V8。足回りは4輪エアサス仕様。すべてに“最上”を追求した。
X7は、Xシリーズの最高峰、つまりBMWのフラッグシップSUVとしてデビューした。これまで“SUVの乗用車化”を牽引してきたのはBMWブランドだ。だが、従来の最高峰SUVはX5もしくはクーペのX6だった。これらはセダンでいうところの5シリーズ・クラスだ。
一方、アウディやメルセデス・ベンツといったドイツのライバル勢は、Q7やGLSクラスといった“巨艦”を早々に送り出しており、ラグジュアリーSUVの“定番”として認知されていた。どうしてBMWに最上級クラス、つまり7シリーズに相当するSUVがなかったのか、そちらのほうが不思議なくらいだった。
満を持して登場したX7は、BMWの新たなラグジュアリー性を表現するモデルにもなった。象徴的なのが巨大なグリルデザインだ。当初、このフロントマスクを見て嫌悪感を抱いたクルマ好きは少なくなかった。BMWファンの間にも賛否両論あった。ところが、ブランド首脳陣は「それでいい」という。八方美人ではなく、少数派でもいいから熱烈に支持されたい……真のラグジュアリーは個性から生まれる、という判断らしい。