叱る→褒める の順番が大事!

 なぜ、叱ったあとに褒めるのがいいのかわかりますか?褒めたあとに叱っても同じだと考える人もいるでしょう。

 実は、この順番によって相手の反応はまったく違ってくるのです。
まず、「叱る」と「褒める」を次の4つのパターンに分けてみます。

1)最初から最後まで褒める

2)最初に褒めて、あとで叱る

3)最初に叱り、あとで褒める

4)最初から最後まで叱る

 それぞれのパターンにおける反応を振り子の原則に当てはめて、1から順に確認していきましょう。

1)は褒められるのは嬉しいけれど、褒められてばかりだとお世辞を言われていると思う(快へ振れる)

2)は褒められて嬉しくなっても、叱られるとそれ以上にイヤになる(褒められた分、不快へ大きく振れる)

3)は叱られてイヤな気持ちになっても、褒められるとそれ以上に嬉しくなる(叱られた分、快へ大きく振れる)

4)は叱られっぱなしでイヤになる(不快へ振れる)

 このように3の方法が相手に対する信頼や好感度がいちばん高まることになります。逆にいちばんよくないのは4のように思えますが、実は2。そのままずっと不快よりも、一旦、快になってから不快になったほうが振れ幅が大きい分、より不快な気持ちが大きいのです。

脳は違う感情を、同時に記憶できない!

 脳は優秀とはいえ、違う感情を同時に記憶できないので、あとに思ったほうを記憶します。ですから最初はマイナス感情になっても、プラス感情が最後に来ればいいのです。

 人はついつい、伝えにくいことがあると、最初に褒めてしまうことをやりがち。「この部分は良かったんですが。これはちょっと……やり直してください」というパターンはよくあるのではないでしょうか。

 感情脳のしくみを知っていれば、「この部分は、しっかり確認しろといっただろう!」と叱り、最後に「でも、お前を信じている。がんばれ!」と褒めてあげることがモチベーションを保ち、相手を「その気」にさせ続けられるのです。

 もちろん「褒める」→「叱る」→そして最後にまた「褒める」といったサンドイッチにしても大丈夫です。最後に褒めて脳を「快」にする、つまり「その気」にさせて終わる、これが脳のしくみを知った上での「その気の法則」なのです。


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