ストロング系の次は「微アル」?お酒とマーケティングの切っても切れない関係“微アルコール飲料”は宅飲み生活の救世主になるのでしょうか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

“微アルコール飲料”が
ビールの新マーケットを作り出す?

「もしお酒が飲めたら、私の人生は3倍は楽しかっただろうな」と真面目に思います。

 この話をアルコールが飲める体質の友人にすると、必ず言い返されるのが、「いや、お酒のおかげでなんど人生を失敗してきたことか」ということなのですが、それでも夜な夜なお酒を求めて繁華街を歩き回る人生への憧憬は、私にとっては深いものがあります。

 さて、そのような愛飲家の皆さんもゴールデンウイーク中、特に東京都内では飲食店でのアルコールの提供が自粛されたこともあり、かなり寂しい「宅飲み生活」を送らざるを得なかったのではないでしょうか。

 そんな折なので、私が「マーケティング戦略的に結構面白いな」と思っているアサヒビールの商品について記事にしてみたいと思います。首都圏では今年3月30日に発売された0.5%の微アルコール飲料の『アサヒビアリー』(以下、ビアリー)です。

 この商品の面白いところは、ビールの新マーケットを創造しようと考えているところにあります。古典的な例で言えば靴を履いていない時代のアフリカで靴を売ったり、1960年代のアラスカで冷蔵庫を売ったりするような意欲的な話です。

 ちなみに一年を通して気温が低く、それまで冷蔵庫などいらない生活をしていたイヌイットにGEのセールスマンが冷蔵庫を売り込んだ文句は「これを使えば、肉がかちかちに凍らなくて便利ですよ」だったそうです。