桜の便りが日本列島を北上している。お花見シーズンの到来だ。花見といえば、桜の下でビール片手に「乾杯!」と行きたいところだが、残念ながらビール業界にはまだ冷たい北風が吹いている。「ビール離れ」と言われて久しいが、その動きには歯止めがかかっていないようだ。
ビール各社が発表した2017年のビール系飲料(ビール・発泡酒・第三のビール[新ジャンル])の総出荷量は4億407万ケース(前年比2.6%減)で、13年連続の減少となったという。内訳を見ると、ビールは2億459万ケース(前年比2.9%減)、発泡酒は5499万ケース(同4.0%減)、第三のビールは1億4449万ケース(同1.5%減)と、すべてのジャンルで前年度割れ。2014年6月以降のいわゆる安売り規制強化の影響で、小売価格が上昇したことも追い打ちをかけた格好になったと言えるだろう。
さらに、アサヒが2018年3月1日出荷分から業務用ビールの値上げに踏み切る動きを受け、サントリーやキリン、サッポロ各社も同ビールの値上げを4月1日出荷分から決めた。運送にかかる人件費の高騰も大きいというが、今後は居酒屋での注文にも緊張を強いられそうだ。季節に逆行して、ビール党には氷河期が訪れつつある。
「ビールがないなら缶チューハイを飲めばいいじゃない」と、マリー・アントワネットの逸話風に開き直ってもいいのだが、乾杯くらいはやはりビールでしたい。お花見に歓送迎会とビールのお世話になるシーズンだからこそ、できれば安く買いたいものだ。私たちが安くビールを買おうと思った時、どこで買うのが最安値なのか、草の根検証をしてみた。
ビール需要が高まる
時期は値段が上がるのか?
まず花見にビールを持ち寄ると想定した時、集まる人数にもよるが、6缶パックを何種類か買うと想定した。そのうえで、どこで買うのが安いのか業態別に値段の比較をしてみようと考えたのだが、その前にふと頭に浮かんだことがある。