トヨタ自動車は一部の部品を最大4カ月分備蓄している。独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は独自の車載電池を生産するために6カ所で工場を建設中だ。米電気自動車(EV)大手テスラは、かつてヘンリー・フォードがそうしたように、原料の入手ルート確保を目指している。「ジャストインタイム」という言葉に象徴される自動車業界の超効率的なサプライチェーン(供給網)は、約半世紀ぶりの変革を遂げつつあり、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下で起きたトラブルがそれを加速させている。需要の急な変動や異常気象、相次ぐ事故などを経て、必要なときに必要な部品が常に手に入るという大前提を見直し始めたためだ。