天皇という称号の空白期間

 天皇という言葉が復活するのは、江戸時代末期、光格天皇(こうかくてんのう、在位1780‐1817)からですから、長い間、日本には天皇はいなかったのです。

 天皇はどこから始まるのか? という疑問も、歴史的には、継体天皇(けいたいてんのう、在位507‐531)という6世紀はじめの天皇、さかのぼれる一番最後というのが学者のほぼ一致した共通見解です。

 みなさんに質問です。
 お父さん、お母さんの名前を知らない人いませんよね。
 もしいたら、相当な親不孝者ですよね(笑)。

 では、おじいさん、おばあさんの名前を全部言える人?

(結構な数の挙手)

 かわいがってもらっていますから当然ですよね。

 次に、曾おじいさん、曾おばあさんの名前をいえる人?

 なんで1人しかいないんですか?(笑)

 こんなに系図が山ほどある時代なのに人間の記憶はそんなものなのですね。

 継体天皇は、「応神天皇の5世孫」といわれています。
 あの時代、文字も記録もなかったのに、5世といわれたらそうかなとは思いますが、誰も挙証はできない(笑)。

 これだけデータがあるみなさんですら、3代さかのぼったら、曾おじいさんも曾おばあさんもたった1人しか知らないわけですからね。