良くも悪くも、「Space (宇宙)マニア」は「特別目的買収会社(SPAC)マニア」と同義になった。英ヴァージングループ傘下の宇宙旅行会社ヴァージンギャラクティックは10日、当初の予定より6日遅れで第1四半期決算を発表した。これは、米証券取引委員会(SEC)が、一部のSPACのワラント(新株引受権)の不適切な会計処理を指摘したことを受けたためだ。再計算の結果、4900万ドル(約53億2300万円)の追加費用が計上され、ヴァージンギャラクティックの損失額が拡大した格好となった。この問題はキャッシュの流出を伴っておらず、ほぼ見た目の問題だ。だが、宇宙という最後のフロンティアに魅了されている投資家は、SPAC市場に水を差そうと意気込む規制当局の動きを懸念する必要がある。調査会社ディールロジックのデータによると、SPACの新規調達ペースは減速している。もっともこれは、金融全体の動向や、今年既に過去最高の1030億ドルという記録的な額が調達されたことの余韻も一因となっている可能性がある。