米連邦準備制度理事会(FRB)はこれまで、今年のインフレ率上昇は緩やか、かつ一時的である可能性が高く、向こう数年間は金利をゼロ付近に維持できるとの考えを示してきた。だが直近の消費者物価指数(CPI)は大幅な伸びを示した。この先も上昇が続けば、FRBの思惑が外れる可能性がある。物価上昇ペースが継続的にFRBの望む水準を上回れば、FRBは雇用市場がコロナ禍の影響から完全に立ち直るまで金融緩和策を続ける計画を断念せざるを得なくなるだろう。直近の物価データは、既にFRBが後手に回っている恐れがあることを示すとの指摘も一部にある。米労働省が12日に発表した4月のコア物価指数(変動の大きい食品やエネルギーを除く)は前月比0.9%上昇し、1カ月の上昇率としては1981年以来の大きさだった。