――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  経済や市場をかき乱している現在のインフレ圧力は、経済が完全に再開し、新型コロナウイルス禍が終息に向かえば恐らく緩和されるだろう。  しかし水面下では、これまで長期にわたってインフレを抑制してきた力が反転し始めている。その中で最も重要なのが人口動態だ。  世界1位と2位の経済大国・米国と中国が発表したばかりの国勢調査によれば、過去10年間の両国の人口増加率は、高齢化と出生率の急低下を受けて、ここ数世代で最も低くなった。