台湾の株式市場は2020年初め以降、先進国市場と新興国市場をカバーするどのMSCIインデックスの中でも最高のパフォーマンスを誇ってきた。だが今週の急落で、その王座が危うくなっている。株価急落は高揚感とレバレッジを巡る典型的なエピソードで、米国や他国の投資家にも教訓となる。直接的な原因はどうやら、台湾でこれまでで最悪の新型コロナウイルス感染拡大が発生したことだ。16人が感染したことで、世界からの「隔離状態」を維持してきた台湾のほぼ完璧な記録に汚点が付いた。昨年3月以降の上げ相場を背景に、ますます多くの投資家が証拠金債務を積み上げており、そうした債務は約10年ぶりの高水準に達している。証拠金債務は下落に拍車を掛ける。証券会社の口座で損失が表示されると、投資家はさらなる証拠金を要求される。これがマージンコールと呼ばれるもので、現金を確保するためにさらなる持ち株の売却を強いられる。
半導体株の急落、世界一好調な台湾市場に異変
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