中国で11日公表された10年に1度の国勢調査結果は、同国と習近平国家主席に厳しい選択を突きつけた。産児制限や移民に対する共産党の管理を緩めるか、それとも現行政策を維持して成長鈍化のリスクを冒すか――。国勢調査によると、2020年の出生数は4年連続のマイナス。総人口数は14億1000万人への微増と、伸びはほぼ頭打ちとなった。全体の2割近くは60歳以上だ。カリフォルニア大学アーバイン校のワン・フェン教授(社会学)は、中国の人口が向こう5年以内にもマイナスに転じると予想する。「終わりの見えない減少になるだろう」巨大な人口を抱える中国でさえ、伸びが停滞すれば、経済をけん引する若者層が減る。一方で、高齢者の増加は経済全体でみると資金の流出だ。これは安い労働力の絶え間ない供給による生産性の飛躍的な向上など、中国経済の奇跡を支えてきた人口動態が反転することを意味する。
中国人口「際限なき減少」も 過剰から一転
10年に1度の国勢調査結果は習近平国家主席に厳しい選択を突きつけた
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