米国人が過去最高に迫る数の自動車を購入する一方で、世界的な半導体不足により、ディーラーの店頭に並ぶ車はここ数十年間で最低水準に落ち込んでいる。市場のミスマッチが自動車価格を押し上げ、ディーラーの駐車場からすぐ新車に乗ることを期待している購入者の多くが、数週間から数カ月もの間、納車を待たなくてはならない。ショールームに展示されるモデルの一部は、店頭表示価格より数千ドル高い値段で売られている。「今までの人生で経験したことのない最高の新車市場かもしれない」と、米ペンシルベニア州フィラデルフィア周辺を拠点とする自動車ディーラー、デービッド・ケレハー氏は言う。「それなのに車がない」同氏は最近、午前3時半に冷や汗をかいて目が覚め、iPad(アイパッド)で「ジープ」のオフロード車や「ラム」ブランドのピックアップトラックの在庫を確認した。3月と4月は過去最高の販売台数を記録したが、繁忙期の夏に向けて通常は700台ある在庫が、今年は98台しか用意できていない。