――ユニークなコンセプトですね。
梅村 施設内通貨「レア」も大きな特徴です。コーヒーを飲んだり、カラオケで歌ったり、イベントに参加したりするにはレアが必要なのですが、これはランチを食べ終わった後の食器を下げたり、運動することで得られます。そうやって自発的に動くほど、レアが獲得できてたくさん遊べますし、リハビリにもなるわけです。ランチも2~3種類から選択可能。すべてにおいて「自由に選べる」というコンセプトを貫いています。
――どんな方が通っているのですか?
梅村 今までデイサービスの利用を敬遠していた、要介護度の低い方が多いですね。平均で要介護2を切るぐらいです。
特に男性はデイサービスを嫌がる傾向がありますが、弊社は他施設と比べて男性の方が多いと思います。カラオケやマージャンを通じて友達ができ、通所を楽しまれています。
一方、要介護度の高い方もいらっしゃいます。「脳梗塞で体は動かないが、頭はハッキリしている。若々しくいたいから、こういう雰囲気の中にいたい」とおっしゃっていました。そういう声を聞くと、この施設を造ってよかったな、と感じます。
――新型コロナウイルスの感染拡大で、パチンコ業界は苦境に追い込まれていると聞きます。御社にとってもデイサービス事業の開始はプラスだったのでは?
●株式会社クレド 事業内容/介護事業、FC事業、マンションメンテナンス事業、遊技場事業、従業員数/35人、売上高/2億500万円(2020年度見込み)、所在地/岐阜県加茂郡白川町河岐1705-2、電話/0574-72-2595、URL/more-smile.co.jp
梅村 はい。弊社もまだパチンコ店を経営していますが、デイサービス事業を始めていなかったら厳しい状況に追い込まれていたかもしれません。
デイサービス事業を軌道に乗せられたのは、メインバンクである東濃信用金庫さんから融資を受けられたことも大きな要因です。岐阜県信用保証協会の新型コロナウイルス対応貸付に関しても書類の準備やアドバイスなどを迅速にしていただき、助かりました。親身な対応に感謝するばかりです。
――今後の抱負をお聞かせください。
梅村 デイサービス「リゾートアロハ」をさらに全国に広げていきたいと考えています。医療の面を重視したデイサービスはもちろん必要ですが、弊社のようなデイサービスもあると、選択肢が広がってよいと思うのです。19年からはフランチャイズを募集していて、弊社のようなパチンコ店が加わっています。まずは50施設に増やすことが目標です。
(取材・文/杉山直隆、「しんきん経営情報」2021年6月号掲載、協力/東濃信用金庫)