対面なら雰囲気で察してもらえるが、オンラインではそうはいかない。言葉で明確に表現できなければ、相手には決して伝わらない。でもそんなロジカルなヒトになるために、わざわざ難しいフレームワークなど覚える必要はないのだ。KIT虎ノ門大学院教授・三谷宏治氏の提唱する最強の思考法「重要思考」さえマスターすれば、ロジカルに考え、伝え、聴き、議論することが可能となる。三谷氏の著書『〔新版〕一瞬で大切なことを伝える技術』からの抜粋で、相手に自分の主張を一瞬で確実に伝えるための方法を、見ていこう。

伝えることを1つに絞る。3つも4つもと欲張らない

 コンサルティング会社に就職して最初に言われたことは「ワンスライド・ワンメッセージ」です。

 スライドというのは、報告資料の1頁のこと。同時にそれはプレゼンテーション資料でもあるのですが、その1枚当たり、言いたいことは1つだけにせよ! なんでもかんでも詰め込むな! という教えです。

 ある意味とても贅沢な話ですが、伝えることの本質でもあります。

「一度に伝えることは1つに絞る」

 いっぺんに3つも4つも伝えようとするのではなく、1つにしようと言っているだけ、です。とても簡単そうでもあるのですが、なかなか実行できません。

 なぜなのでしょう。

 それはおそらく、塊や、つながりが曖昧だから、なのでしょう。

 言葉そのものが、曖昧。つながりが原因なのか結果なのか相関なのかが、曖昧。何が前提で何が結論なのか、曖昧。一番ダイジなこと、が曖昧。

 だから、ふわふわしたものが、ずらずらとつながってしまいます。

 ロジカルの超基本、重要思考ができていないのです。これでは絞れません。