対面なら雰囲気で察してもらえるが、オンラインではそうはいかない。言葉で明確に表現できなければ、相手には決して伝わらない。でもそんなロジカルなヒトになるために、わざわざ難しいフレームワークなど覚える必要はないのだ。KIT虎ノ門大学院教授・三谷宏治氏の提唱する最強の思考法「重要思考」さえマスターすれば、ロジカルに考え、伝え、聴き、議論することが可能となる。三谷氏の著書『〔新版〕一瞬で大切なことを伝える技術』からの抜粋で、相手に自分の主張を一瞬で確実に伝えるための方法を、見ていこう。
ロジカルの超基本は「塊」と「つながり」
ロジカルという言葉は日本語では論理的、という意味で、ロジック(論理)の形容詞です。でも本来はどういう意味なのでしょう。
この言葉はギリシャ語のロゴスに由来します。この世を支配する真理を指し、理性的な論証の言葉でもあります。
ロゴスに対比されるのがミュトス。神話や寓話、悲喜劇など、ヒトが語り伝えた物語のことを指します。愛憎あふれる、豊かな世界です。でも、そこには理性的な真理はない、とギリシャの賢人たちは考えました。
ロゴスから生まれた論理学は、数学の一部ともなり、今やあらゆるコンピュータや電子部品の基本原理となっています。厳密に、そして理性的に。
一方、ミュトスに代表されるように、ヒトの思考回路はかなり曖昧かつ非理性的です。いろいろなバイアスがかかりますし、自分では気がつかない潜在意識(無意識)なんてものもあるので、実は「意識的・理性的に考えてモノゴトを決める!」なんて1日に何回もないのです。