ひろゆきに「承認欲求」について聞いたら意外な答えが返ってきたひろゆき氏(撮影:榊智朗)

「ヤバイ状況」を楽しんでしまおう

ひろゆき氏:昔、マレーシアで長期ビザを取りに行ったことがあるんですね。必要な書類はマレーシア政府のホームページに書いてあるんです。現地で書類を用意して、いざ提出する段階になったら、最後に「マレーシア人による承認」が必要になるんです。

――知り合いはいたんですか?

ひろゆき氏:いや、誰もいない(笑)。でも、あと2日くらいで帰らないといけない状況だったんです。困った果てに、ホテルの受付の女性に「僕は怪しい者じゃないんです」とか言って、なんとかサインをもらえました。名前だけじゃなく国民番号も書かないといけないんで、ウソはバレるんですよ。

――そういうときって、焦るじゃないですか。どういう心境なんですか?

ひろゆき氏:ヘラヘラ笑いながら、頭んなかでは「どうしようかなー」と次の手を考えていますよね。わりと楽しんでいるのに近いです。そういう経験があると、後からこうやって楽しく話せるネタになりますからね。

 だから、さっきの話に戻ると、承認欲求が満たされていなくて不安だったとしても、その状況を楽しむことは日本でも海外でも一緒なんだと思います。

――「笑顔でいれば、どこへ行っても大丈夫」って以前に話していましたよね?

ひろゆき氏:はい。性善説なんで、とりあえずニコニコしてれば、誰かが助けてくれて何とかなるっていう考えですよね。逆に、困った顔でおびえている人って、なんか怖そうじゃないですか。相手も警戒しますよね。

 だから、先手必勝で、ニコニコ挨拶をして、そこから自分がどんな状況にあるのかを冷静に話せばいいんですよ。そうすると「それは大変だね」って言って、普通の人なら手を貸してくれますから。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、16万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。