医療・住居・ライフラインの保障もなし
仮放免中の外国人の生活が「重圧だらけ」な理由

 Bさんの出身国では、政変や動乱が続いている。もともと日本文化に関心があったBさんは、生まれ育った国を離れざるを得なくなった数年前、移住先に日本を選んだ。しかし、厳しすぎる難民認定の壁に直面し、現在も難民認定されていない。入管収容を経験した後、仮放免となり、現在は支援団体のシェルターで暮らしている。現金や現物による支援を受けながら辛うじて生命と暮らしをつなぎ、時にアラビア語のボランティア通訳として活動している。

 Bさんの日本語能力は極めて高い。時にネットスラングを口にする筆者は、Bさんの美しい日本語の前に恥じ入ってしまう。日本語を学習する外国人にとって最大の鬼門となる漢字も、Bさんは見事に使いこなしている。しかし就労資格がないため、能力を生かす場はボランティア活動しかない。

 ふだんの暮らしについて、Bさんは「生きていけないほどの状況」と表現する。

「働けないし、国民健康保険にも入れません。病気になっても、お医者さんや病院にかかれません」(Bさん)

 住居やライフラインの維持も難しい。

「健康であっても、家賃、水道や電気の料金、携帯電話の料金を支払えなくなる場合があります」(Bさん)

 もし通信という生命線を維持できなくなったら、支援団体が行っているスマホの無料貸し出しサービスを利用することが可能だ。しかしながら、数多くの制約がある。「自分が契約して使用料金を支払っている格安SIMと同様」とはいかない。

「自分の食べたいものや買いたいものを買うことはできません。社会的に保障がなく、健康で働けるのに働けません」(Bさん)

 最も深刻なのは、事故に遭ったり病気にかかったりした時だ。