世界で最も北に位置する基地の一つで昨年、ロシア軍は鉄筋コンクリート製滑走路の最終延長工事を終えた。これにより、最新鋭のジェット戦闘機や戦略爆撃機がこの基地を利用できるようになった。この仕上げ工事は、ほぼ氷に閉ざされた北極海の群島の中にあるナグルスコヤ(Nagurskoye)航空基地で行われ、ソ連時代に一時放置されていた航空出撃拠点を、ロシアの最も先進的な前線基地へと変身させつつある。同基地の工事は、資源の豊富な北極圏でロシア政府の野望を実現する一連の基地新設・改修の取り組みの一環だ。これら基地のある地域一帯は今年1月、北極圏におけるロシア海軍の最強戦力である北方艦隊の管轄範囲に新たに組み込まれた。同艦隊の司令本部は、ここコラ湾にある。コラ湾は、ロシア北極圏の都市ムルマンスクに近く、ナグルスコヤから800マイル(1290キロ)の距離に位置する。