ロシアでは国民への新型コロナウイルスワクチン接種がなかなか進まない一方で、当局は新たなターゲットに目を向けている。そのターゲットとは、動物だ。ロシア当局者は国産の動物用ワクチン「Carnivac-Cov」の配布を開始したと明らかにした。臨床試験で犬や猫、キツネ、ミンクに抗体の生成が確認されたという。人への新型コロナ感染拡大と動物との間に強い関連性がある確証はないと科学者はみているものの、犬や猫、類人猿など世界のさまざまな生き物の間で感染が確認されている。特にミンクの飼育場では大規模な感染が起きており、デンマークでは昨年、新たな変異を懸念して数百万匹のミンクを殺処分している。世界保健機関(WHO)率いるコロナ起源調査チームは3月の報告書で、ウイルスはコウモリから広がった可能性が極めて高く、農場もしくは野生のミンク、タヌキ、イタチアナグマなど他の小型哺乳類を介して人間に広がった可能性があると指摘した。さらに、中国の研究所からのウイルス流出が感染拡大の端緒になった可能性を巡る追及が強まる中、ジョー・バイデン米大統領は今週、新型コロナの発生起源を巡る調査を国内情報機関に指示した。
動物にもコロナワクチン、ロシアでペットなどに接種開始
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