米ニューヨーク州司法長官が進めているドナルド・トランプ前大統領とその一族が経営する会社への刑事捜査は、金融犯罪のベテランで、粘り強い捜査姿勢で知られる元マンハッタン地区検事のゲリー・フィッシュマン氏が率いている。フィッシュマン氏は、マンハッタン地区検察局と捜査で連携しているNY州司法次官補2人のうちの一人。事情を知る複数の関係者が明らかにした。マンハッタン地区検察局とニューヨーク州司法長官事務所の連携は異例だ。元関係者の話では、双方が協力するのは、捜査を巡り対立する問題を抱えるか、今回のトランプ氏の捜査のように、重複する場合に限られるという。当初はそれぞれ別々に捜査を進めていた。ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は裁判所への提出書類で民事事件として捜査を進めているとする一方、マンハッタン地区のサイラス・バンス・ジュニア検事長は、トランプ一族への捜査は刑事事件だと話していた。だが、ジェームズ司法長官の報道官は先週、トランプ・オーガニゼーションに対して、マンハッタン地区検察局とともに、刑事事件として捜査していると明らかにしていた。