6月4日に発表される5月の米雇用統計は、これまで1年以上にわたって米経済と市場を支えてきた金融緩和からの出口政策を模索する米連邦準備制度理事会(FRB)にとって、転換点となりそうだ。5月分の雇用統計は、中銀当局者が現在注視している二つの重要な問いについて、理解を深める助けとなるだろう。その一つ目は、新型コロナウイルスの感染拡大で失われた雇用を、米労働市場がどれほど迅速に回復するのかというものだ。二つ目は、最近のインフレ率上昇の要因になっている供給面の障害に緩和の兆候が見られるのか、というものである。これらの問いに対する答えは、FRBが債券の大量購入プログラムをいつ縮小させ始めるのか、FRBが将来の利上げに関しどう考えるのかとの観点を判断する手助けになる。