中国バイオ医薬品会社の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が開発した新型コロナウイルスワクチン「コロナバック」を町全体の住民に接種する実験がブラジルで実施され、新型コロナ死者数が95%減少した。多くの開発途上国で提供されている同ワクチンの有効性が改めて示された。実験が行われたのはブラジル南東部にある人口4万5000人のセラーナ。「プロジェクトS」と呼ばれる実験の一環で、2月~4月に成人全員にコロナバックを接種した。新型コロナを巡りこのような集団実験が行われるのは初めて。シノバックと共同で研究を主催したサンパウロのブタンタン研究所は5月31日、近隣地域で感染者数が増加したものの、セラーナでは感染者と死者が激減したと明らかにした。