エクセルが劇的に速くなる「急がば回れ」テクニックとは？

　もう一度「始点」と書かれたアドレスB2のセルに戻ってきてください。正しい方法を以下に示します。最初はゆっくりでいいので、何度か練習してみてください。

正しい選択方法

①「始点」と書かれたアドレスB2のセルから、「中継地点」と書かれたアドレスB10のセルまでワープする

②アドレスB10のセルから、1つ右のアドレスC10に移動し、Ctrl ＆Shift ＆ ↑と押して、青色の範囲をワープ選択

　私はこのテクニックを「急がば回れ」と呼んでいます。何度も繰り返してまずは0.5秒以内にできるようにしてください。

中田元樹（なかた・げんき）

業務改善コンサルタント
東進ハイスクール校舎長、社長室担当を歴任。その後、日本IBMを経て、NTTデータ経営研究所にて業務改革のコンサルティングを行い、独立する。東進ハイスクールにおいては、のべ1万回の進路指導を行い、コーチングスキルを獲得。

日本IBMでは、業務改革コンサルティングチームに所属。膨大な仕事量に忙殺され、睡眠時間を削って仕事をする日々を過ごす。「このままではお客様に満足していただけるパフォーマンスは出せない」と、1秒でも早くデータを分析するための方論を模索し、日々改善を続ける。
結果、Excelを活用したデータ分析のスピードが飛躍的に上昇していく。“Excelのプロ集団”として認知されていた業務改革コンサルティングチームの中でも、最も操作スピードが速く、約2万人の社員の中で一番の使い手とされる。そのExcel技術を当時の新人教育部門/研修担当部門から評価され、社内講師をオファーされたのがExcel研修講師としてのキャリアのスタートだった。

総勢30人程度のExcel研修サービスチームを結成し、外資系コンサルから大学生まで、幅広い層にExcel研修を行う。指導実績は1000人を超え、受講満足度は99.7％を誇る。「上位1％を目指す！」をコンセプトにしたセミナー、ExcelCampは、噂が噂を呼び、現在は日本のみならず、スイスやフィリピンからも研修オファーがあり、活躍の舞台を世界に広げている。

Excelの面白さ、奥深さを伝えたい

　中田元樹と申します。この度『神速Excel』を出版しました。『神速Excel』のエッセンスは、日々の仕事でExcelをたくさん使う人たちにとって、絶大な効果を発揮します。しかし、本書で推奨する「マウスを使わないExcel操作」は、習熟するまでにそれなりに時間がかかります。

　マウスを使っていたころと比べると、一時的にパフォーマンスが落ちます。これは避けられません。セミナーでは対面で、手取り足取りお教えし、何度もその場で反復練習をしていただきます。私がこれまで対面のセミナーにこだわってきたのは、Excelスキルを高めることにコミットするためです。

　執筆のお話をいただいたとき、私は正直、執筆するべきかどうか悩んでいました。

「この技術をミスリードすることなく、本で伝えることができるのだろうか……？」

　しかし、直接お教えできる人数には限界があります。最近は、地方での開催も増えましたが、直接お会いできない都道府県の方で、Excelのスピード技術を高めたいと考えている方も多いはずです。そんな方のお役に立てるかもしれない。Excelの新しい世界をご案内できるかもしれない。そのように考えて、この本を書くことを決めました。

「反復こそ力」なり

　話は変わるのですが、最近私はダンスを始めました。これがなかなか難しくて、頭で振り付けを覚えていても、何度も踊って練習しないと体がついてきてくれません。反復しないと、本番では絶対によいダンスはできませんね。

　Excelも全く一緒です。

　本書では「この操作は何回も繰り返して練習してください」といったメッセージがたくさん出てきます。しつこいと感じる人も多いでしょう。

　しかし、反復こそ力なのです。知識として知っているだけでは、実戦では使えません。本を読んで終わりではなく、身につけたいスキルの反復練習をしてください。特にChapter 2の「セル選択の10奥義」は本当に大切なスキルなので、念入りにお願いします。トレーニングを積んだ皆さんが、Excelの新しい世界に飛び込んでいかれることを願っております。

【ダイヤモンド社書籍編集部からのお知らせ】

『神速Excel』