コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は、壱番屋、トリドールホールディングスなど外食業界の5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
ハイデイ日高、大戸屋HDは3割超減
コロナ2年目も厳しい外食業界
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は、以下の外食業界の5社。対象期間は20年12月~21年3月の直近四半期(壱番屋、ハイデイ日高は20年12月~21年2月期、その他3社は21年1~3月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・壱番屋(CoCo壱番屋)
増収率:マイナス14.3%(四半期の売上高113億円)
・トリドールホールディングス(丸亀製麺)
増収率:マイナス8.8%(四半期の売上収益339億円)
・王将フードサービス(餃子の王将)
増収率:マイナス7.1%(四半期の売上高201億円)
・ハイデイ日高
増収率:マイナス36.8%(四半期の売上高68億円)
・大戸屋ホールディングス
増収率:マイナス30.6%(四半期の売上高41億円)
外食業界は、新型コロナウイルス感染拡大による打撃が大きい業界の一つだ。5社全てが前年同期と比べて減収になっており、外食業界の置かれた厳しい現状を物語っている。
次ページからは各社の決算数字を基に、現状を解説する。