「体力をつけるには、とにかくたくさん歩けばいい」と思っていないだろうか。もちろん、体を動かすことは大切だ。だが、ただ歩数を増やすだけでは、体力を伸ばす運動としては十分でないこともある。大切なのは、毎日の運動を「なんとなくの習慣」で終わらせず、体力を伸ばす刺激に変えること1万人以上の患者を診てきた医師が、医学的根拠に基づいて執筆した『鍛えるよりも「使い方」 体力がすべて』から、一部を抜粋・編集しそのヒントを紹介する。
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運動量は1日ではなく、1週間で考える
体力を育てるうえで大切なのは、「毎日運動しなければならない」と考えすぎないことだ。目安にしたいのは、週150分の有酸素運動、いわゆるゾーン2の運動である。
1日あたりの運動量にこだわる必要はなく、1週間の合計で150分に届けばよい。しかも、この150分は細切れでもよい。
たとえば50分×3回でも、15分を1日2回×週5日でも構わない。合計でこのくらい動けていればよいという目安であり、ライフスタイルに合わせて柔軟に配分できる。
まとまった時間が取りにくければ、10~15分の短い取り組みを積み重ねればよい。通勤中の早歩き、昼休みのストレッチ、週末の40分歩行といった具合に、日常に溶け込む形でも十分に成果につながる。
つまり、毎日必ず運動をしなくても、体力は伸ばせるのだ。
意識するのは、「会話はできるが、歌えない」きつさ
地道に続ける運動の中心は、ゾーン2と呼ばれる低~中強度の有酸素運動がよい。ゾーンは運動強度を段階に分けた呼び方で、ゾーン2は「長く続けられる強度」にあたる。
心拍数で考える場合、多くの人にとってこの強さは、最大心拍数の60~70%程度に相当する。最大心拍数の目安としてよく用いられる「220-年齢」という計算式を参考にすると、ターゲットとなる数値が見えてくる。
ただし、心拍数には個人差があるため、数値はあくまで参考程度にとどめ、自分の体感、たとえば「会話はできるが、歌うのは難しい」と感じる程度を優先するほうがよい。
このレベルの運動を継続すると、筋肉の中で酸素を使ってエネルギーをつくる働きが高まり、ミトコンドリアや毛細血管が育ち、同じ仕事量でも相対的に楽にこなせるようになる。
結果として、持久力の土台が、細胞・組織レベルで強化されていく。
(本稿は『鍛えるよりも「使い方」 体力がすべて』から一部抜粋・編集したものです。)






