『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』が20万部を突破! 本書には東京大学教授の柳川範之氏が「著者の知識が圧倒的」、独立研究者の山口周氏も「この本、とても面白いです」と推薦文を寄せ、ビジネスマンから大学生まで多くの人がSNSで勉強法を公開するなど、話題になっています。
この連載では、著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。読書猿さんのマシュマロはこちら
[質問]
論理的に話すことが苦手です。どうすれば会話や面接といったキャッチボールに例えられるようなリズム性も求められる部分が高い状況で相手に理解ができるように説明を行えることができるようになれるのでしょうか。
まずは子ども向けの教材で、文章の練習から
[読書猿の回答]
新しいスキルを習得するには、まずゆっくりだが正確にできるようになり、その後スピードを実用レベルまで上げていきます。なのでまず書き言葉で論理的に説明できることを目指すべきだと思います。
書き言葉で練習する利点のひとつは、結果が目に見えるので、問題が発見しやすく、修正を通じて学べるところが多いところです。
参考書には子ども向きのものをお勧めします。『独学大全』でも紹介した『子どものための論理トレーニング・プリント』や『論理エンジン』(こっちは小学1~6年生用があります)がよいでしょう。
論理的な読み書きができるようになれば、口頭コミュニケーションでも、次第に相手の言葉を論理的に理解できるようになります。自分で論理的に説明できるようになるのは、さらにその後です。相手の言葉が理解できないと、相手が理解できるように話すことは難しいからです。
正直、先は長いと思いますが、論理的な言語運用能力は一生の財産になります。何より、口頭でも文章を通じてでも、人に助けを求めたり助けたりするには、この力が必要になります。