最初に「コトバンク」を使うだけで検索力が爆上がりする
――イラストレーター、漫画家さんとしてお仕事をするなかで、「調べもの」「検索」をされる機会は結構ありますか?
はい、常にしていると言ってもいいです。僕の場合、仕事=独学の面が非常に大きいのもあると思いますが。
画像資料を探すときはまず「グーグル画像検索」、それで日本語、英語、で検索してそれでも出ない場合は探す画像の国籍にもとづく言語(例:韓国の陶磁器の画像が欲しいときは検索ワードをハングル語に訳して検索したりもしていました)で検索。あと最近は「ツイッターで画像検索」をしたりもします。
それでも見つからないと今度は動画サイトを検索して「探しているモチーフが写っているシーン」を探す、とかもしています。画像ではなく普通の情報であればとりあえずググって、単語を増やしたり除外フレーズを設定したりしてフィルターをかけながら絞り込んでいく、という普通の方法でやっていました。
――「ググる力」で結構仕事の効率が変わりそうですね。
はい。「調べもの」のなかでも「自分の欲してるイメージを言語化する力」はすごく大事だなと感じています。
以前「アメリカの古い家具」の写真がたくさん欲しかったことがあったんですが、最初は「アメリカ レトロ 家具」などで画像検索していたんです。でも、なかなかいい画像が見つからなくて……。それが、途中で自分の求めている家具が50年代のデザインのものが多いことを知って、「mid century furniture american」と入力して画像検索したら、「これこれ!」といった感じの家具の写真がたくさん出てきたんですよね!
これができないと、クライアントとの「出来上がりのイメージの共有」なども難しかったりするので、クリエイターには必須のスキルかなと思います。
――『独学大全』を手にして、検索のやり方はどのように変わりましたか?
『独学大全』では「まず最初にコトバンクを引く」という「手順」が示されていたのが「ああ、なるほど」と思いました。辞書、事典は「最初に立ち寄るところ」ということを明確に意識させられました。僕の場合、それまでも辞書や事典、それにコトバンクも見ていましたが「最初に立ち寄るところ」ではなかったんです。
いきなりグーグル検索して大量の情報が出てくると、色々なページに行ってとりあえずどんどん見る、という行為が楽しくなってしまう……結果、いろんなページを行ったり来たりして時間を食うことも多かったです。