活況に沸いていたウォール街がここにきて失速してきた。米銀大手は昨年の大半と今年1-3月に、株・債券トレーディングや合併・買収(M&A)助言などで記録的な収益をたたき出していた。米連邦準備制度理事会(FRB)は市場に潤沢な緩和マネーを提供。企業は競って社債発行や新規株式公開(IPO)を急ぎ、オンライン掲示板レディットに集う個人投資家から機関投資家まで、これらの証券の購入に動いた。銀行はこうしたブームの中で大きな利益を手にしていた。だが銀行幹部は足元、市場関連の収入が少なくとも前年比で急減していると警告し始めた。米金融大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、今週開催された金融関連会議で、4-6月期のトレーディング収入(債券・株式双方含む)が60億ドル余りになるとの見方を示した。これは過去最高となる約97億ドルを稼いだ前年同期からは約38%減となる。