イラン・イスラム共和国は、真の民主主義国家ではない。しかしそれでも18日の同国大統領選挙は、米欧が核兵器問題で懐柔しようとしている政府の重要な真実をさらけ出した。19日の段階の暫定集計によれば、イラン司法府代表のイブラヒム・ライシ師が、約62%の得票率で大統領選挙に勝利した。同国の最高指導者で、特に外交分野で真の最高権力を握るアリ・ハメネイ師の後継者になり得る人物だと評されることもあるライシ師は、投票が始まる前から勝者が決まっているレースに出馬した。イランの選挙を監督する「護憲評議会」は以前から、最高指導者の好みに反する候補者の出馬を阻止してきた。しかし、過去の選挙では、イラン国民に自らの将来を左右する小さな声が認められたため、候補者間の競争が確保され、選挙結果が見通せないケースすらあった。出馬が認められた候補者は常に、イスラム国家とその革命思想に忠実だった。しかし、現在レームダック状態にあるハッサン・ロウハニ現大統領のような一部の者は、ハメネイ師の主張に従いながらも、穏健化や改革といった言葉を口にしてきた。