米国では工場労働者の賃金の伸びが極めて鈍い。製造業分野の企業は労働者の確保でファストフード店と競合し、苦戦している。ミシガン州西部の状況を見てみよう。この地域は、オフィス家具や自動車部品の工場を多く抱えるほか、旅行業の伸びも顕著だ。ミシガン湖沿いのレストランやホテルは、急速に雇用を拡大している。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で行動を自粛していた人々が、旅行を再開したからだ。こうした状況の変化で工場の生産ライン従業員を確保することは一層難しくなっており、労働力需要の伸びに伴って、求人数と離職率が高まっている。家具メーカーのハワース社で人事責任者を務めるアン・ハートン氏は、経済が回復し労働市場がひっ迫する中で、失業者の中から人材を探すだけでなく、すでに就業している人を転職させる形の人材確保にも取り組んでいると語った。同氏は「人材確保では他業界との競争にも直面している」と述べる。
米工場賃金の伸び、ファストフード業を下回る
労働力需要が高まり給与が上昇するなか、仕事の選択肢も増加
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