米プロバスケットボール選手ジェフ・ハーパー氏(33)は深圳市で中国の警察に拘束された。それは正式な逮捕ではなかったという。だが同氏は、悪臭を放つマットレスとプラスチック製の椅子しかない部屋に8カ月の間閉じ込められた。中国で「指定居所監視居住」と呼ばれるこの勾留措置は、正式な逮捕や起訴に至る前の容疑者を、当局が秘密の場所に隔離し、尋問するために用いる。人権団体はこの措置が、時に暴力を伴いつつ、対象者を弁護士や家族から切り離す恐ろしい状況だと述べる。ハーパー氏は身体的な虐待を受けなかったものの、当局がこの先自分をどのように扱うのか見通せず、不安にさいなまれたと話す。12カ国でプレーした経験のあるプロバスケットボール選手で、所属チームがないハーパー氏は当時、大会参加のため5日間深圳市に滞在していた。ある男性と短い言い争いになって拘束され、後に相手男性が死亡したと告げられた。最終的に釈放され、2020年9月に中国からの出国を許可された。何の罪にも問われず、裁判所に出廷することもなかった。