プルデンシャル生命保険で「前人未到」の圧倒的な業績を残した「伝説の営業マン」である金沢景敏さん。営業マンになった当初はたいへん苦労しましたが、あることをきっかけに「売ろう」とするのをやめた結果、自然にお客様から次々と「あなたからサービスを買いたい」と連絡が入るようになりました。どうすれば、そのような営業スタイルを作り上げることができるのか? 本連載では、金沢さんの初著作『超★営業思考』を抜粋しながら、その「秘密」をお伝えしてまいります。

「図々しい人」は嫌われるだけだが、「図々しいけど、愛嬌のある人」は最強である写真はイメージです。 Photo: Adobe Stock

「愛嬌のある図々しさ」こそが、
営業マンに欠かせない資質である

 営業マンは図々しくなければ生きていけません。

 お客様に、知人の紹介をお願いするというのは、その最たるものです。

 お客様には僕に大切な知人を紹介する義理などありません。にもかかわらず、営業マンは「紹介してほしい」とお願いしなければならない。その意味で、営業マンにとって、図々しさは重要な資質なのです。いや、営業マンに限らず、あらゆるビジネスマンは、誰かに何かをお願いしながら仕事をするわけですから、「図々しさ」はある意味、生き残るためには不可欠な資質なのだと思います。

 ただし、図々しいだけでは、もちろんダメです。

 当たり前のことで、単に図々しく「自分の都合」を押し付けるようなビジネスマンが、お客様に相手にしてもらえるはずがありません。「この人は時々、図々しいことを頼んでくるけれど、なんか憎めないんだよな。ちょっと力を貸してやろうか」というふうに思ってもらえる「愛嬌」が欠かせないのです。

 いや、「図々しけど、なんか憎めない」と思ってもらえたときに、人は最強のビジネスマンになれるのでしょう。その意味で「愛嬌」は、ビジネスマンの最強の武器だと言えるのです。

 ところが、この「愛嬌」というのが難しい。

 辞書を引くと、「接すると好感を催させる柔らかな様子」「にこやかで、かわいらしいこと」「ひょうきんで、憎めない表情・しぐさ」などと書かれています。

 しかし、そのように思われることを狙って、そのような表情・しぐさをしようとしても、そこには「不自然さ」しか生まれませんし、場合によっては、そこに「いやらしさ」が滲み出てしまうものです。「愛嬌」を意識的に出そうすると、その姿を消してしまうのが「愛嬌」というものなのでしょう。

「愛嬌」を生み出しているのは思考法である

 では、「愛嬌」とは生来のものなのでしょうか?

 たしかに、「愛嬌」を生まれ持ったような人物がいるのは事実だと思います。小学生の頃から、元気で、にぎやかで、その人がいるだけで場所が明るくなるような性格の人っていますよね? そんな天性の「愛嬌」を持っている人が、営業マンとして活躍しているのも否定しがたいことです。

 だけど、一方で、おとなしくて、どちらかというと陰性で、声を出して笑うようなことも少ないけれど、多くのお客様に愛されて、驚くほどの売上を上げている営業マンもたくさんいます。率直に言って、彼らが「愛嬌」のある性格を備えているとは思えません。だけど、そんな彼らも図々しいお願いをしながら、多くのお客様に愛されているのです。

 だから、僕は「愛嬌」というものは後天的に育てることができるものだと思っています。

 そして、僕は、これまでいろいろな人を観察してきましたが、その鍵を握っているのは「思考法」ではないかと睨んでいます。今置かれている状況のなかで、みんながハッピーになれることを考える。そんな「思考法」を心がけている人は、どんな性格であるかを問わず、自然と「愛嬌」が備わってくるように思うのです。

 身内の話を持ち出すと、手前味噌に思われるかもしれませんが、僕の妻はその典型だと思っています。

「図々しい人」は嫌われるだけだが、「図々しいけど、愛嬌のある人」は最強である金沢景敏(かなざわ・あきとし)
元プルデンシャル生命保険ライフプランナー AthReebo(アスリーボ)株式会社 代表取締役
1979年大阪府出身。京都大学ではアメリカンフットボール部で活躍。大学卒業後、TBS入社。テレビ局の看板で「自分がエラくなった」と勘違いしている自分自身に疑問を感じて、2012年に退職。完全歩合制の世界で自分を試すべく、プルデンシャル生命保険に転職した。当初は、思うように成績を上げられず苦戦を強いられるなか、一冊の本との出会いから、「売ろうとするから、売れない」ことに気づき、営業スタイルを一変させる。
そして、1年目にして個人保険部門で日本一。また3年目には、卓越した生命保険・金融プロフェッショナル組織MDRT(Million Dollar Round Table)の6倍基準である「Top of the Table(TOT)」に到達。最終的には、自ら営業をすることなく「あなたから買いたい」と言われる営業スタイルを確立し、TOT基準の4倍の成績をあげ、個人の営業マンとして伝説的な業績をあげた。
2020年10月、プルデンシャル生命保険を退職。人生トータルでアスリートの生涯価値を最大化し、新たな価値と収益を創出するAthReebo(アスリーボ)株式会社を設立した。著書に『超★営業思考』(ダイヤモンド社)。