「オオカミ少年」の村人は、羊飼いの少年が幾度もうそをついて村を騒がせるのにうんざりし、オオカミが本当にやってきた時に少年を助けに行こうとしなかった。この寓話(ぐうわ)は、不動産開発大手の中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ・グループ)や、中国の不動産市場の投資家にとって教訓となるかもしれない。負債比率が極めて高い中国恒大はまたしても財務がひっ迫している。同社は20日と21日に、インターネットサービスを手掛ける恒騰網絡(ハンテン・ネットワークス)と小規模不動産開発業者の嘉凱城(チャイナ・カルソン)の持ち株を合計10億ドル近く売却したことを明らかにした。フィッチ・レーティングスは22日、中国恒大の格付けを「B+」から「B」へ引き下げた上で、資本市場へのアクセスが限られているとみられ、安定性の低い影の銀行(シャドーバンキング)融資への依存度が高まっていると指摘した。