欧州の新興企業による資金調達は今年に入り急増し、巨額の調達ラウンドや評価額の上昇が顕著になっている。「欧州は失われた時を取り戻しつつある」と語るのは、ロンドンのベンチャー企業アトミコのインサイツ部門責任者でパートナーのトム・ウェーマイアー氏だ。欧州の新興企業は何十年もの間、野心と資本の面で外国企業に後れをとってきたという。それにより、「世界の時価総額に占める欧州の割合を見れば、高い代償を伴った」ことが分かるが、状況は急速に変化していると同氏は続けた。調査会社ピッチブック・データによると、英国とイスラエルを含む欧州のベンチャー企業は、6月11日までに合計496億ドル(約5兆5050億円)を調達し、2020年通年で市場に流入した517億ドルに迫っている。今年の資金調達額の約4分の1は新興企業わずか12社が占め、それぞれ5億ドル余りを調達している。昨年の同規模の資金調達ラウンドは6件だった。